インド旅行にまつわるエトセトラ

2024年1月はじめてのインド旅行前後のおはなし。

ラグジュアリーホテル

あと少し、パーティ参加にまつわる顛末と、感覚の変化について話して、この旅行記を終えたいと思う。

まずパーティについて。

プネー空港で、すっかりパーティに行く気になっているにも関わらず、“気”だけで、私はまだ決断していなかった。

帰国したら週末だ、まず月曜に出勤して、仕事の状況と予定を確認して、メンバーに追加でまた一日休みが欲しいとお願いしよう。
それは決めていた。

無事休みが取れたら、パーティ参加を申し込もう。
そう思っていた。

プネー発の国内線に乗り込み、離陸を待つ間、パーティに参加することを既に決めている仲間の席が近かった。
彼女は鳥取在住だ。ふと、鳥取から東京のイベントに来る方が、仕事の休み云々があろうと、都内で電車一本で行けるわたしより、どう考えてもハードルが高くないだろうか?
そう気づいた。
そのことを彼女に伝えたら、もうパーティの出席は申し込んだ?そう聞かれた。
まだだよ、と回答しながら、ヒヤッと冷たい感覚が身体に走った。

何かとても大事なことを見過ごしているような、失いそうになっているような焦り。
突然、気づいた。
既にすっかり行く気になっているのに、まだ申し込んでいないなんて、おかしいんじゃないか?

パーティは当然、参加人数の枠もあるし、申し込み締切がある。会場のキャパが決まっているのだし、手配もあるのだから。
人気企画は定員に達した時点で締切となるのが常だ。

その時の私は完全に、人数枠だとか締切だとかいう概念を忘れ去っていた。
既にすっかり参加する気になっているのに、こうしている間に定員に達して、参加できなくなってしまったら、すごく悔しい。絶対後悔する。
それなのに何故、仕事を調整すると決断して、参加にコミットして申し込まないのか?

インドツアーの時はそうした。結果がどうだろうと即休みを取る動きをしたし、即申し込んだ。絶対に逃したくなかったから。
とりあえずどうなるかわからないけど申し込んでおこう、ダメだったらキャンセルしよう、そんな迷惑な話じゃない。
絶対行く、そうコミットして申し込むのだ。
だってもう絶対に行きたいと思っているのだから。

休みが取れたら、申し込もう?
もう確実に休めると確信している癖に?
まだ決断を誰かに、何かに委ねようとしてるの?
休みが取れたら行く、取れなかったら行かない、そんな話じゃない。
行くと決めるんだよ、わたしが。
わたしの感覚が世界をつくってるんだから。

それなのに、のんびりしていたのは、完全にあぐらをかいていたからだ。
つまり、直接声をかけてもらって、濃密に参加について相談に乗ってもらったのだから、自分が、無事休みが取れたので行きます!と言えば、必ず行けるような気になってしまっていたのだ。
図々しくも!
チャンスは平等だ、掴めるときに掴まなければならない。

慌てて申し込もうとしたものの、今はもう飛行機に乗り込み、離陸を待っている最中。
いつ動き出すかわからない。

デリーの空港に着いたら即申し込もう、そう思ったところで、また落ち着かなくなった。
デリーじゃ遅い!という感覚があった。
後悔したくないんでしょ?既に絶対行きたいと思ってしまっているでしょ?
だったらあと数分でも時間があるなら、今すぐなりふり構わず申し込まなきゃ!

強い感覚に従って、急いで申し込みフォームに入力した。まだ人数枠は埋まっておらず、間に合った。
ちなみに申し込み締切は週末のうちで、わたしが月曜日に出社してのんびり予定を確認していたら、そのときにはもう募集は終わっていたことになる。

更に言ってしまうと、これほど仕事を休む休まないと大騒ぎした、ピンクパーティ。
なんと平日火曜といっても夜からのスタートで、都内で働く私は仕事を定時にあがってからでも間に合う時間だったのだ!
反発と抵抗が強すぎた私は、ろくに参加募集の詳細も見ていなかったので、平日=どうせまた休まないと参加できない時間でしょ?と思い込み、大騒ぎしていたのだ。

恥ずかしいし、恐ろしい。

結局、ヘアメイクをサロンに頼むため、午後半休をもらってパーティに参加した。
パーティはもちろん、最高に楽しかった。

身支度から楽しかった。
ピンクのワンピースに合わせるインナーは、これまで選んだことがないヒラヒラ大きなフリルの優雅なブラウス。
足元は買った後一度も履かずに眠らせていたショッキングピンクのニーハイソックスに、ヒールはマットなシルバー。
黒の細い紐状ベルトに、好きな自作アクセサリを遊びでつける。胸元にも。
自分の編み物作品のうち、フリンジが効いたベージュとカーキのツートーンのパーティバッグを持つ。
髪の毛はコンパクトにアップしてもらって、メイクも自分ではなくサロンでお願いした。

もちろんホテルの部屋も予約した。

だから15時にチェックインして、一息ついてから、着替えて近くのヘアメイクサロンへ行って、また部屋で落ち着いてから、パーティ会場へ向かうという、優雅な過ごし方だった。
ドキドキしながらも、ここに泊まるのがいつものこと、そんな顔で満喫した。

実際のところ、よく考えなくても家賃より高い一泊なのだけど、あまり気にならなかった。
存分に楽しんだ。

パーティではインドツアーに一緒に参加した友だちはもちろん、思いがけず遠方の友だちと再会出来たし、新しい友だちも出来た。
女性たちの歓ぶ声。食事、お酒、歌、なによりおしゃべりが止まらない。

パーティ後、友だち三人といっしょに部屋でさらにおしゃべりした。
イベント後に余韻を味わうというのは、欠かせない。

ベットの広さはそこまで要らないし、気分により誰かに泊まってもらう可能性を感じたから、ツインを予約していた。
一人でも二人でも部屋代は変わらないんだから、せっかくならもう一人気軽に泊まってもらうのはアリだ。
もちろん部屋代の折半はしない、自分にはこの場所に泊まれる力がある、と感じるのがわたしの歓びなんだから。
ただ当日一人で過ごしたい気分の可能性があるので、事前に誰かを誘うことはしなかった。

予感通り、インドツアーに一緒に行った友だちもこの部屋に泊まってもらうことにした。
そしてその友だちが予約していた他のホテルの部屋を、別の友だちに使ってもらうことにした。
これは奇跡的なリレーだった。
全員が自分の感覚に従って動いた結果、必要な人に必要なものが提供されるという、素晴らしい循環を見た。
その夜、誰か一人でも細かな感覚に従わず違う選択をしていたら、その循環はなかった。

感覚に従うと、スムーズにコトが進む。ときには奇跡的な調子で。

翌朝の朝食も最高で、心ゆくまでラグジュアリーな気分に浸った。
昼にチェックアウトするまで、わたしはそのままホテルでリモートワークをしていた。
同僚との通話で、今実はホテルに泊まりに来ていて、昼に自宅に移動するよ、そんな雑談をしながらも、まさかこれほどラグジュアリーな場所だとは誰も思うまい。
しかし、それでもこんな個人的な、しかも少し変わった状況をサラリと話せるなんて、本当に人との付き合い方が変わった。

友だちが撮影してくれた仕事風景は、一見ラグジュアリーホテルを定宿にする有名作家だ。
作家はホテルにこもって執筆するものでしょ?
勝手な妄想の作家像だけど、とても気分があがる。

コンフォートゾーンを超えた記念のチャレンジは、とても貴重で最高の体験が出来た。
あらためてここに書いておかなければならない。
すべてのものはお値段以上だ。断言する。

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