インド旅行にまつわるエトセトラ

2024年1月はじめてのインド旅行前後のおはなし。

歓迎

では、今回のインド瞑想ツアーの出発から、順を追って振り返ってみたい。

参加者は総勢11人。
みな日本人だけど、アメリカやタイから合流する人もいた。
年齢も職業も性別もバラバラ。全員が知り合いというわけでもない。
わたしたちの共通点は、自分の内側が現実たる外側に反映されるという理に基づき、自分の内面に真摯に向き合うことを意図したコミュニティの仲間であるということだ。

目的地はインドのプネーにあるOSHOメディテーションリゾート、インドの神秘家OSHOのアシュラム(学舎?修練場?)。
一日中、瞑想などのプログラムが実施されており、世界中から人が訪れる場所だ。

わたしたちは内観でOSHOのZENタロットカードを使用している。
(占いではなく、内観のツールとして使用するタロットについては、また後ほど話したい)
OSHOのエネルギーが色濃く残るプネーのアシュラムで、瞑想に取り組み、自分の内側により深く向き合おうという企画なのだ。

そんなツアーは、アシュラムでの瞑想だけが学びの場所とは限らなかった。
旅の始まりから終わりまで、むしろ、始まりの前から、終わりの後まで、あらゆる瞬間すべてが気づきに満ちていた。

例えば、出発の最初の最初からスペシャルだった。

日本からの出発組は、深夜0時台のフライト。
つまり、日付けでいえば前日の夜に空港へ集合、チェックインする必要がある。

羽田空港にて、集合時間の20分前。
待ち合わせ場所に到着したことをグループLINEに流したところ、不穏な反応が返ってきた。

参加メンバーの一人が、集合日時を一日勘違いしており、まだ自宅で何の支度もしていなかったのだ。
なお、集合日時の確認はグループLINEでもやりとりされていたし、数日前には本人もわかっていたはずなのに、どこかで認識がすり替わったらしい。

インドは“呼ばれて”訪れる国、こういう“お試し”があったりする、と五十回以上インドを訪れている仲間が教えてくれた。
何よりわたしたちは、内観し、自分の思い込みのパターンに気づき、手放していくことを意図している集団。
気づきのため、こういった「よりによって」の出来事が起こることは、実はよくある。

そのためか、一瞬はざわついたものの、各自やることをやって、焦りや不安を手放すまではあっという間だった。

パスポートだけ掴んですぐに出発するよう促す人、
自宅がどこか確認し空港までの電車での所要時間を調べる人、
車のほうが速いのではないかと調べる人、
今すぐ出れば間に合うとLINEに連絡、
ギリギリになることが見込まれるため受付カウンターに事情説明しお願いしに行く人。

やれることをやったら、空港に集合していたほとんどのメンバーが「なんだか大丈夫な気がする」と言って、状況を面白がる余裕が生まれた。
単なる楽観視というだけでなく、謎に確かな安堵の感覚だった。
実際、旅に行けても行けなくても、どちらでも大丈夫、どちらでも尊い経験だと、みんなわかっていたと思う。
だからこそ、望む感覚を選択してフォーカスできる。

その裏で当の本人はスーツケースにとにかく物を突っ込み、20分で自宅を出発して、電車に飛び乗った。

受付カウンターが閉じる7分前に羽田空港駅に到着、3分前にカウンターにたどり着いて、なんとかチェックイン。

搭乗口に現れた彼女を見つけて、メンバーが駆けつけて抱きついた。
写真や動画で顔を見たことはあっても実際は初めて会うメンバーたち。このハプニングはそんな参加者間に強い一体感を生み出した。

だから、この出来事は祝福でもあったのだ。

その後も、バンコクでの乗り継ぎでフライトが遅れて、無事インドのデリーに到着したものの、国内線の乗り継ぎが間に合わないかもしれないギリギリの状況だった。

デリーの空港からは、現地のインド人アテンドが合流してくれたわけだが、間に合わないかもしれないということで、大慌て。
とにかく急いで荷物をピックし、走る走る。
挨拶もそこそこに、どんどん交渉して、列にぐいぐい割り込み、先へ先へと走る。

振り返ってみると、これも打ちとけるための喜ばしい出来事、インドの歓迎だったのかもしれない。
旅の間、現地アテンドしてくれたインド人もメンバーの一人として一緒に過ごしたのだから。

ちなみに、集合日時を勘違いしていた彼女のスーツケースには必要なものはほとんど全て入っていたらしい。
支度ゼロから、ものの20分で、人は海外旅行に出発出来る。
わたしが会社へ出勤するときより早い。

その気になれば、それが可能なんだということにも気づかせてもらった。
海外に行くということが、随分と身近で軽くなる。

今回のメンバーは、わたし以外は一人で海外旅行出来るタイプ。
わたしは、去年やっと一人で国内旅行することに抵抗がなくなった、旅初心者。
そんな人たちの中にいたのも良かった。

今回だって何から何まで手配してもらって、現地アテンドまで付いてくれたおかげなのだけど、わたしのなかでは、すっかり海外に行くのは難しくないこと、一人でも海外に行ける、そんな感覚になってしまった。

感覚が変わることが重要だ。
これだけでも、わたしの世界は大きく広がった。